花粉症

花粉症とは花粉に対して人間の体が起こすアレルギー反応です。アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎の中でもスギやヒノキなど春の花粉が原因によるものが多く、体の免疫反応が花粉に過剰に反応して、主にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血などが生じます。花粉症の約70%はスギ花粉症と考えられています。これは日本全国の森林の18%をスギが占めている事が原因であり、関東や東海地方ではスギ花粉が中心になります。また、関西ではスギと並んでヒノキも植林面積が広いため、ヒノキも注意が必要です。治療には薬物療法、アレルゲン免疫療法、手術療法があります。当院ではご希望される患者様に、花粉症に対する自費治療も行っております。お気軽にご相談ください。

アトピー性⽪膚炎

皮膚状態が良くなったり、悪くなったりを繰り返し、強いかゆみのある湿疹が認められます。アトピー素因(血縁者に喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎にかかったことがある。患者様自身がいずれかにかかったことがある。IgE抗体ができやすい)や皮膚バリア機能の低下を背景に、皮膚の乾燥、そう痒を伴う紅斑、丘疹、痂皮を認めます。皮疹は左右対称性で乳幼児期に好発し、慢性、反復性に経過し、苔癬化をきたします。ある程度年齢的な特徴があり、乳児期は頭や顔に始まり、次第に体や手足に広がっていく傾向があります。幼小児期は首や手足の関節の内側に皮疹ができやすい傾向があります。思春期や成人期は上半身(頭、首、胸、背中)の皮疹が強い傾向があります。検査では白色皮膚描記症や、血液検査IgE高値、好酸球の上昇、TARCの上昇を示します。

じんま疹

何らかの誘因で一過性の血管、浮腫がおこり(皮膚が現局してくっきり赤く盛り上がり)紅斑、膨疹、そう痒をきたす疾患です。個々の皮疹は数十分から数時間以内に消えるのが一般的ですが、中には半日から1日続く場合もあります。発症して6週間以内を「急性じんま疹」、それ以上経過した場合を「慢性じんま疹」と呼びます。じんま疹はアレルギーが関係している場合と物理的刺激や運動、疲労、ストレス、また原因がわからない(特発性と呼ばれる)などアレルギーが関係していない場合があります。一般的には、皮膚だけの症状であるじんま疹では命に関わることはありませんが、のどの粘膜が腫れたりすると呼吸が苦しくなることがあります。特殊なものに刺激誘発型じんま疹の中に食後の運動で誘発される食物依存性運動誘発アナフィラキシー (FDEIA)、発汗刺激で起こるコリン性じんま疹、寒冷じんま疹などがあります。

⾷物アレルギー

ある特定の食べ物を食べたり、触れたりした後にアレルギー反応が現れる疾患です。食物アレルギーの原因物質であるアレルゲンは主に小麦、大豆、鶏卵、牛乳、甲殻類、果物、そば、ピーナッツなどがあります。症状は皮膚症状 (かゆみ、じんま疹など)、呼吸器症状 (くしゃみ、鼻水、息苦しさ)、粘膜症状 (目の充血、涙など)、消化器症状 (下痢、吐き気など)、神経症状 (頭痛、意識朦朧など)があります。また加齢に伴い食物アレルギーの原因物質が変わっていくという特徴があります。乳幼児の5~10%、学童期以降では1~3%が食物アレルギーと考えられています。小児期の食物アレルギーは、多くが成長に伴い徐々に原因食物が食べられるようになります(=耐性獲得)。一方で、大人の食物アレルギーは耐性獲得しにくく、原因食品の継続的な除去が必要なことが多いと考えられています。

薬剤アレルギー

薬剤の摂取が原因で発疹を生じた疾患の総称で、薬剤の全身投与 (内服、注射) によるものを指し、外用によるものは接触性皮膚炎として扱われます。薬疹は特定の薬に対して反応するような細胞や抗体がある人(=特定の薬に感作された状態)にのみ生じます。通常、特定の薬に反応するこのような細胞や抗体が出来るのには内服を始めて1~2週間程かかるので、そこで初めて発症すると考えられています。基本的には全く内服したことのない薬で薬疹を生ずることはないです。薬疹には固定薬疹、重症薬疹、ウイルスが関与する薬剤性過敏症症候群 (DIHS)などがありますが、特に重症薬疹 (中毒性表皮壊死症、スティーブンス・ジョンソン症候群) は全身性の発疹と全身症状により生命に関わる可能性があります。これらの重症薬疹では、原因となった薬を中止しただけで良くならず急速に悪化しますので、迅速に対応することがとりわけ重要となります。

エリテマトーデス(LE)

LEは膠原病の1つで皮膚と全身臓器に障害をきたす全身性エリテマトーデス (SLE) と皮膚症状のみが出現する皮膚エリテマトーデス (LE) に大別されます。抗核抗体など多彩な自己抗体が産生され、免疫複合体が沈着することで組織が障害されます。発症には遺伝要因、環境要因などが関連するといわれています。SLEの主な皮膚症状としては頬に出来る赤い発疹です。蝶が羽を広げている形をしているので、蝶型紅斑(バタフライ・ラッシュ)と呼ばれています。 皮膚は発疹が重なりあい、やや盛り上がっているのが特徴です。同じ頬に出来る皮疹でも、盛り上がりのない紅斑も見られます。また、一つ一つが丸くディスク状(レコード盤様)のディスコイド疹も、この病気に特徴的で、顔面、耳介、頭部、関節部によくみられます。

接触⽪膚炎

日常生活で接することが多い金属、化粧品など原因物質に接触して生じる湿疹であり、いわゆる「かぶれ」です。免疫細胞の関与の有無で刺激性接触性皮膚炎とアレルギー性接触性皮膚炎に分けられます。刺激性接触性皮膚炎では物理的に皮膚の表面(角層)が障害を受ける皮膚炎で、接触部位に一致して皮膚の炎症が起こります。そう痒を伴い、紅斑、丘疹、水疱を生じます。重症例では潰瘍を伴うこともあります。確実に診断するためには「皮膚貼付試験(パッチテスト)」で疑わしい物質を貼付して48時間後、72時間後、1週間後に皮膚反応を確認します。金属アレルギーの場合は1週間後に陽性反応があらわれるなど、診断に時間がかかる場合があります。当院では「皮膚貼付試験(パッチテスト)」を行っております。ご相談ください。